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上り框に対する思い

2022.06.27

こんにちは!

いつもご訪問頂きましてありがとうございます!

今年の梅雨は全然雨が降りませんでしたね。物価高に加えて野菜の高騰も心配ですね。

昨日のテレビで、アメリカではモヤシが一袋330円なんていうとんでもない金額で売られているというニュースを見たのですが、その分給料が30年前に比べて1.5倍以上になっているとのことでした。

日本は物価高にはなっているけれど給料は横ばいの状況が続き、経済的に取り残されているとのこと。経済については詳しいところまではよく分かりませんがなんだか恐ろしい話ですよね。。

そんな話はさておき、

本日のお題は上がり框のない玄関についてです!

上がり框とは、玄関と1階の部屋との段差のことを指すのですが、

(画像お借りしています。)

この段差は建物の構造上出てくるものなのですが、日本特有の文化で、靴を脱いで部屋に上がることを風習として捉えていた日本ならではのことともいえます。

欧米では靴を脱ぐ習慣がないので玄関を開けてこのような段差は見られません。

この上がり框は通常1階の床仕上げのフローリングに合わせて木で作ることが多いのですが、タイルや石などで玄関周りを作る場合は、その部分だけ木で作ると不恰好。。

そのため、下記の写真のようにそのまま框も室内までも玄関と同じ素材の石やタイル等を貼り込むことが多いです。

 その場合は、玄関と土間との一体感や連続性を持たせるようにするため比較的框の低い玄関にします。框の高い玄関はそれだけで結構圧迫感がありますので、玄関を広く見せるために框を低くして同じ素材で仕上げる、ということはお勧めしたい手法です。

 従来の和風建築に見られる框は重厚な作りのものが多くそれはそれで品格があり、格式ばった素晴らしい玄関だったのですが、都市部で限られた敷地内に建物を建てる場合どうしても玄関はコンパクトになりがちなので、こうしたところを工夫してあげたいですよね。

 機能的なところでは、框の役割は靴を脱ぐスペースを確保するのと同時に、靴の裏についた埃や土が部屋の中に入らないようにするという役割がございます。

 しかし昨今はシューズインクロークを設けることも多くなり、玄関まわりで靴を脱ぐことが少なくなり、靴の出しっ放しもないので玄関が汚れることも少なくなってきております。そのため玄関周りが汚れることも少ないので、わざわざ段差を設けず、靴を脱ぐためのカーペットだけを用意するといったお宅も見かけたりします。

 2021年9月に完成した私の自宅では上がり框がなく、1階は道路からほぼフラットに繋がるように設計しております。

 このケースは、1階が事務所としての機能も果たしているので、敷居を低くするという役目も果たします。

 あとはやはりこれからの高齢者にとっての住まいを考えると極力段差は無くした方が良いので、框はその最たるものですよね。外用の車椅子から室内用の車椅子に乗り換える際にはこの框の段差が仇となって一人での乗り入れが難しい場合もございます。

 それよりかは玄関の脇に車椅子の座面と同じ高さの椅子を用意してあげる方がよっぽど親切です。

 玄関扉横に設られたアンティーク調のベンチです。靴は手前に少しだけ見える玄関マットの前で脱ぎます。ベンチは靴を脱ぐ時の腰掛けとして使用しています。

 福祉的な観点からも、これからは框の無い、玄関と1階の床がフラットに繋がる。そんな住宅が当たり前になっていけばなあ、とつくづく感じております。

 暮らしがどんどん西洋化しモダンな作りとなってくること、生活のスタイルが高齢者も安心して住めるように配慮すること。

 そういったことを考えると、上がり框という日本古来の家の造りは見直していかないといけないのかもしれませんね!

ご自宅をお考えの方は、是非参考にしてみてくださいませ!