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VE・CDという言葉をご存知でしょうか?
2022.08.26こんにちは!
いつもご訪問頂きありがとうございます。
最近になって問い合わせが急に増えてきています。
ありがたい話です。
でもよくよく話を聞いてみると予算が合わないことも多くて、悲しいことに一度話をお聞きしてお断りしていることも多くなってきました。
7、8年前に比べて坪単価が1.5〜2.0倍くらいに値上がりしているので、お客さまに坪単価をお話しするとほとんどの方に驚かれてしまいます。
弊社が高いのではなく、物価高騰が著しいというだけなのですが、納得してもらうのが難しくて毎度四苦八苦しております。
さて、そんな今日は金額にまつわるVEやCDについて少しだけお話ししようと思います。
見積もり作成や、モノを作る現場で働かれておられる方は聞いたことのある言葉だと思いますが、一般の方はあまり聞いたことがないと思います。
VEとはValue Engineering(バリューエンジニアリング)の略で、モノの価値、性能を損なわずコストを下げる手法(または、一定のコストの中で価値や性能を最大化する手法ともいいます)で、一般的に「ブイイー」と呼ばれる手法です。
CDとは、Cost Down(コストダウン)の略で、 材料や性能などを工夫することにより価格をさらに安くする手法です。一般的に「シーディー」と呼ばれる手法です。
各分野それぞれに意味があると思いますが、建設現場では、おおよそ上記の内容の事を指します。
なぜこんな紹介をするかと言いますと、先ほども口頭でお話ししたように、昨今特に建設資材や人件費の高騰から、当初予定していた予算をオーバーする形で建設業者から見積もりが上がってくることが多くなってきております。その部分を加味したうえで最適な設計図を作成するのが我々建築士の仕事でもあるのですが、どうしても予算に合わない場合がございます。
そんな時に我々がお客様にご提案する減額等のご提案が、VEやCDとなります。
VE提案の多くは、見積もりの前から設計者側で採用することが多く、例えば平面計画(広すぎるところや無駄なスペースを省く、製品モデュールに則った間取りの採用など)や構造計画(基礎設計時に土の掘削量を減らす、柱間隔の最適化など)の合理化等が挙げられます。
(これらは設計者側の判断で採用することが多い専門的な話がほとんどなので今回はこちらの内容を書くことは省かせて頂きます。詳しくお聞きになりたい方は電話やDMで直接お問合せください。)
CD提案の多くは、採用しようとしている製品や工法を見直し、コストは下がるが機能や質、デザイン製やブランドとしての価値や下がることを指します。例を挙げれば、10万円の洗面ボウルを1万円の洗面ボウルに変更したり、床暖房の採用を辞めたりして建設コストを下げることを指します。
ここでは、例として私がCD提案時にご紹介する衛生機器のコストダウン項目を少しだけご紹介させて頂ければと思います。
まずは便器。
こちらはTOTOのネオレスト(AHタイプ)です。
こちらもTOTOのネオレスト(DHタイプ)です。
何が違うかお分かりでしょうか?
回答から申し上げますと、1枚目はカバーが全体になっているのに対し、2枚目はカバーが手前だけになっております。デザイン的な見た目では1枚目の方がすっきりしておりますが、個人的には2枚目でも全然いいと思います。また、機能的な違いは、1枚目は近づいただけで蓋が自動的に開閉するオート開閉機能付きですが、2枚目のものはそれが付いていないです。他にも細かな仕様や除菌内容が異なりますが、定価で約10万円程の差がございます。
さらにコストダウン出来るものとして下記のトイレへの変更です。
タンク付トイレ(TOTO製 ピュアレスト)にすると、さらにコストダウン(約5万円)につなげることが出来ます。工務店にもよりますが、ネオレストのAHタイプからピュアレスト(タンク対)に変更した場合1台で15万近くのコストダウンになりますので、CD調整項目としては、まずトイレの品番を確認するのが良いと思います。
次にご紹介するのは水栓とボウルです。
水栓やボウルは、機能的な違いはほとんどないので、みなさんデザインで選ぶ場合が多いです。
洗面ボウル DV040853R-00 (セラトレーディング) 16.7万円 (定価税抜)
混合水栓 HG10120S アクサースタルク (セラトレーディング) 13.9万円 (定価税抜)
計 約30万円です。
確かに格好いいです。
動きもスムーズで、いかにも高級品って感じがします。
しかし、デザインさえご検討頂ければ、同等の仕様で半額で水栓とボウルを購入することも可能です。
洗面ボウル GIW-1508301 デュオ700 (ADVAN) 5.4万円(税抜き)
混合水栓 GS-11921.031 レッタンゴロ (ADVAN) 7.2万円(税抜き)
計 約12万円です。
金額は安くなりましたが、上記の写真の洗面ボウルと水栓はどちらもイタリア製で、水栓に関してはアルマーニホテル等の高級ホテルにも納品実績のあるGESSI社のものです。
ちなみに三面鏡は、1枚目の写真のもので約7.8万円、2枚目のもので約1万円です。
このように、洗面ボウルや水栓はブランドやデザインにご納得頂ければ、コストダウン項目として真っ先に考えられる項目となります。仕様の変更により10年保つものが1年でダメになるということではないのでそこはご安心頂ければと思います。ほとんどブランドやデザインといった付加価値の見直しがほとんどなので、コストダウンとして真っ先に提案させていただくのがこのような衛生機器のブランドの見直しとなります。
今回は、トイレや洗面だけの話だけですが、建築のさまざまな仕様全てに関してCD提案は可能となります。もし、工務店から高い見積もりが出てきたとしても焦らず、CDについてよく打ち合わせすることをお勧め致します。
そうすると意外と必要でないものが見えてくるはずです。
こちらは過去に実際にお客様と打ち合わせした際のコストダウン項目のメモ書きです。
コストダウン項目をピックアップしてその中からOKなものとNGなものが書かれています。
生々しいですね。。
ご自宅をお考えの方は、是非参考にしてみてください!!