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白華現象と補修方法について
2023.02.15こんにちは、ラジコンの竹中です。
いつもご訪問いただきましてありがとうございます。
先日の土曜日はテレビ朝日「渡辺篤史の建もの探訪」の撮影がございました。テレビ初出演ということもありしっかり喋れるように予習はしていたのですが、やはりうまくいきませんね・・
話したかったことの半分以上話せてないので、今から放送が心配です。。
渡辺さんにお会いしたのは土曜日が初めてでした。1ヶ月前にディレクターさんとの取材に関する事前打ち合わせがあったのですが、その時の内容や家のことなどは渡辺さんは当日まで一切聞かされず、前情報なしで本番一発勝負だったみたいです。
先入観を一切いれずその日の印象だけで話を展開されていかれるそのお姿は、さすがはプロだなと感心致しました。
「この素材はなんですか?」「この空間はどういう思いで作られたのですか?」など様々な質問を受け、それに対して回答するような形で進んでいき、約1時間半ほどでご案内は終了。
最後は記念撮影。息子も抱っこされて上機嫌でした。
その後は渡辺さんだけ先にお見送りし、午後からはスタッフの方々によるシーンの撮影を夕方まで。
あっという間の1日でした。
関係者の方々には深くお礼申し上げます。
さて、前置きが長くなりましたが、本日のお題は「白華現象」についてお話ししたいと思います。雨の多い日によく見られる現象なのですが、読み方を「ハッカゲンショウ」と言います。
「華」という字があるのでなんだか綺麗な現象を想像しそうですが実はそうではなく、かなり厄介な現象です。モルタル中の水酸化カルシウムが雨水や雪などに溶け出し、空気中の二酸化炭素に反応して炭酸カルシウムという白い粉になる現象のことです。我々の間では「鼻垂れ」とも呼ばれています。
過去に担当していた物件でこの現象に悩まされたことがあり、長い期間をかけて補修させて頂きましたので、その時の様子をご紹介したいと思います。
白い汚れが白華現象です。
玄関へと迎うメインの階段に見られたので早急に綺麗にしたいとのことでした。一旦発生した白華を補修するのは、大概の場合酸性の洗剤でデッキブラシでこすれば消すことができるのですが、再発する可能性はゼロでは御座いません。もし清掃しても酷くなるようならば、水の流れを突き止めて根本を治す必要があります。
上記の写真を撮影したのが2016年の1月で、「タイルが白くなっている部分があるので見て欲しい」と連絡がありました。可能性としてまず考えられたのは、階段横の壁でした。その頂部のタイルの継ぎ目から水が壁の中に侵入し、床に溜まっているのではないか?
そう感じ、頂部のタイルの継ぎ目を防水し、白華を清掃してその日は終了いたしました。
しかし、2ヶ月後の2016年3月、またお客様からご連絡を頂き、行ってみるとまた新たに発生しておりました。
以前よりマシになっていましたが今後広がる可能性がありましたので、再度水の侵入経路を探すことになりました。
まず疑問に思ったのが、晴れの日にも関わらず発生していることでした。
私の記憶だと、雨が原因でなるケースが多いと思い込んでいたので、それが違うとなると一体原因はどこからなのか?可能性として思いついたのが、庭の自動散水でした。
庭が、ちょうど白華が発生した階段の上に位置しており、かつ毎日散水していることから、ここに溜まった水が何らかの原因で階段部分に染み出して、水が溜まっているのではないかと思いました。そこで水が染み出している原因を探るため庭を掘り返してみたところ、タイルとコンクリートの防水部分に隙間があることが判明しました。
ここから水がタイルの裏に染み出して階段まで流れてきているのではないかと思い急遽止水工事を行いました。
これで一旦様子を見て頂くことになりましたが、その半年後にまたご連絡が。
白華です。
また発生していました。こうなってくるともう天を仰ぐしか無かったのですがここで諦めるわけにはいきません。途方に暮れていたところ、白華の周りをよく見てみると左側の壁の隅が若干濡れていることに気づきました。しかもこの段の部分だけ。
しかし半年前に原因となりそうな頂部の防水処理は施しておりました。ということはまた別の部分から水の侵入経路があるのだと思い、壁を入念に確認しました。すると、タイル同士が取り合う部分に亀裂が入っている部分にわずかですが白華があることを発見しました。
すぐに取り合い部分から水を流してみると、タイル内の水の侵入がこの部分であることを突き止めました。
タイル屋さんに水を流してもらうと
横の壁を伝い、
白華が発見された壁の部分まで水が流れてきておりました。
そこで、水が白華部分まで流れてこないように水路を変えるように補修したところ、ようやく白華がおさまりました。
今回は、白華という現象の補修を例に取り上げましたが、雨漏り等のように建物が建った後に見られる不具合や瑕疵は、どれだけ注意して設計しても数パーセントの確率で発生する場合もございます。
そのような不具合を発見した場合に大切なことは、原因を突き止めて対処するしかありません。建物は、建売注文問わず人が手作りで作られていますので、少なからず不具合がある部分はどうしても出てきてしまう場合もございます。
大切なのは、そういった不具合箇所が出た際に誠心誠意謝罪し、原因を突き止めようとする姿勢なのではないでしょうか。
皆様のご自宅は大丈夫ですか?