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建築設計の仕事について Part.1

2023.03.15

こんにちは、ラジコンの竹中です。

いつもご訪問いただきまして、ありがとうございます。

最近は3月とは思えない陽気ですね。

昨日は桜の開花予報があり、いよいよシーズン到来!

今年から花見解禁する場所が現れ始めるということなので、コロナ前の活気が戻ってきそうですね。

マスク着用も屋内外問わず個人の判断に委ねられたので、息苦しさからようやく開放!

と言いたいところですが、花粉症のピークと相まって中々マスクを外すことが出来ない今日この頃です。。

みなさんはいかがでしょうか?

さてそろそろ本題に。

みなさんは、建築家に建物の設計をお願いした際に、一体どんな仕事をしているか気になりませんか?「設計監理料」というお金を建物の工事費とは別に支払うわけですから、その仕事の内容が気になるはずです。

そこで今回からは数回に分けて、設計の仕事について、お話ししていきたいと思います。

建物の設計を依頼した場合、一番初めに我々が取り組むのが「敷地調査」そして「役所調査」と言われるものになります。

まず敷地調査に関しましては、実際の敷地を見にいき、光の当たり方や周囲の建物の窓の位置、鋲がしっかり打たれているかなどを確認し、創造を働かせます。

これにはお客様と一緒に同行する場合もありますが、1人でお伺いする事もあります。

実際に建てられる敷地を見ることで、この場所にはどのような建物が良いか、窓のおおまかな位置など大体はその場で決まります。そのため、この確認は我々建築家にとって最も重要な調査になります。

実際敷地を見に行って、創造力を掻き立てた後に行うのが「役所調査」となります。これはどのような調査かというと、簡単に言えばその敷地にどれくらいの規模の建物が建てられるか?といったことになります。

皆さんも一度は聞いたことがある「容積率」や「建蔽率」がそれにあたります。

「容積率」とは敷地面積に対する建物の各階の面積を合計した割合のことを指します。

例えば、容積率300%、敷地面積が100㎡の場合、100㎡×300% = 300㎡までの建物が建てられるという計算になります。

また、「建蔽率」とは敷地面積に対する建物の建築面積(建物を上空から投影した場合の面積)の割合を指します。

例えば、建蔽率60%、敷地面積が100㎡の場合、100㎡×60% = 60㎡までの建物が建てられるという計算になります。

よって、敷地面積100㎡、容積率300%、建築面積60%の敷地には、1フロアの面積が60㎡の広さで、5フロア分建てられる計算になるということになります。

これらの割合は敷地の場所によって行政によって細かく決められており、インターネットで調べることも可能です。

渋谷区の場合は下記をご参考ください↓↓↓

https://www2.wagmap.jp/shibuya/Map?mid=1000&mpx=139.69003042765792&mpy=35.658392664928286&gprj=3&sda=1&mps=2500&mtp=shibuya_dm

例えば、松濤という住宅街の場合の建蔽率は60%、容積率150%に対し、

渋谷駅前では建蔽率は80%、容積率800%となります。

駅前に大きなビルがたくさん建てられている理由の第一は、住宅地と違って容積率、建蔽率とも高いから、といったことが挙げられます。

また、これらの情報からは敷地が防火地域か、それ以外か、日影規制の有無など、さまざまなことを調べることが出来ます。そのため、まずはインターネットでその土地の情報を調べ、大体のボリューム感を掴むことから始まります。

しかし、この情報から調べられない情報もあるので、さらに詳しく調べるために役所に足を運びます。

そこで調べることの例としては、①道路の幅と種類、②遺跡などが埋まっている地域か否か、③雨水の処理は側溝に流しても良いかといったことが挙げられます。

特に①の敷地前の道路幅を調べることはとても重要で、その幅によって敷地面積自体が変わる可能性があり、建てられる建物の規模も変わってきます。

道路と敷地の関係で重要なことは、まず、敷地が2mの幅で道路に接していなければ、そもそも建物が建てられません。(建築基準法第43条第1項)そのため、旗竿地に建築する場合は特に気をつけなければいけません。

また、道路の幅は緊急時の車両の通行を円滑にする様に4mの幅が必要となります。(42条第2項)もし4mの幅がない場合、自分の敷地の一部をセットバックさせ道路としなければならないために注意が必要となります。

次に②遺跡が埋まっている地域か否かですが、これは遺跡が埋まっている恐れのある地域で建物を建てる場合、建物の工事が始まる際に遺跡調査を行う必要があります。遺跡が出てこなければそのまま工事を進めることが出来るのですが、もし遺跡が発見された場合は一旦工事を中断し遺跡調査をしなければならなくなります。この調査自体は数ヶ月かかる場合もあるので、引き渡し時期が決まっている場合などは特に注意が必要となります。

最後に③ですが、これは自分の敷地に降った雨を自分の敷地の中で処理するのか、下水に流して良いのか、ということになります。この規制は敷地がある一定の大きさ以上になると掛かる規制のため住宅地で適用されることは少ないのですが、敷地面積が200㎡を超える場合などでは稀に引っかかる事もあるので注意が必要です。

 通常屋根に降ってきた雨水は樋を通じて敷地外の側溝に放流されるのですが、地形が谷底になっている場所や、豪雨地域などでは敷地の外に放流すると雨水が側溝から溢れ出て危険なので、そのような地域では自分の敷地に降った雨は下水に放流せず、自分の敷地内に浸透処理する必要があります。

 そのため、浸透させるためのマスや、浸透パイプなどが必要となり余計な費用が必要となります。また、浸透枡を設けるため敷地の一部に建物が建てられなくなる可能性もあるので事前に調べ、お客さまにお伝えする必要があります。

浸透ますの一例。
浸透トレンチの一例。管に雨水を通してそこから地中に浸透させる。

これ以外にも、防火地域か否かによって窓の作り方も変わったり、日影や斜線の掛かり方で建物の形状も変わるので、プレゼン時に建てられる地域の情報をしっかりと把握することが建物を計画する上で重要になってきます。

(下記は中野区まちづくり用語の解説から一部抜粋したものです。)

https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/522000/d022004_d/fil/kugai4gou_yougosyu.pdf

 このように、我々建築家はお客様からお話を頂いた場合、通常1週間〜2週間ぐらいのお時間を頂戴するのですが、その背景では上記のような下調べから始まり、お客様からの要望の整理、間取りや光の入り方などを検証し、お客さまへのプレゼンに挑むという流れになります。

いかがでしたでしょうか?

 少しでも我々の仕事の内容に興味を持って頂けたらと思いブログ形式で書いてみましたが、分からないことやもっと具体的に知りたい場合はお電話やメールでの問い合わせも承っておりますので、その際はご連絡ください。

Tel : 090-5669-0717

mail : info@razicon.com

次回からは引き続き設計の仕事について書いていこうと思います。

では!